包茎手術とアメリカの70年代
日本でどのように包茎手術が行われてきたのか、その詳しい記述はあまり残されていません。戦後に包茎に関する治療が発達したようですが、その背景にはアメリカの存在があります。元々はアメリカは包茎に対して好意的だったわけではありません。逆に、ユダヤ人の割礼などに批判的な面もあったようです。
しかし第二次世界大戦前後から、アメリカでは性病の予防に繋がるとして積極的に包茎手術を行うようになりました。日本の戦後の文化はアメリカの影響を大きく受けているので、包茎手術が日本で根付いたのもアメリカの影響があったのではないかと推測されます。
具体的に美容クリニックでの包茎手術がいつ頃から行われていたのかは分かりませんが、恐らく70年代か、70年代より後ぐらいではないでしょうか。アメリカの影響を受けて日本でも包茎を治すことが一般的になりましたが、アメリカは70年代頃から今までの方針を大きく転換しています。
包皮、つまり包茎の原因となる亀頭を覆っている皮が悪いものではないと指摘され始めたからです。逆に包皮は有用であるという意見も出てきました。当時のアメリカは新生児に対しても包茎手術を行っていましたが、そのことに対する批判も出てくるようになり、以前ほど積極的に治療するということはなくなっています。
しかし、日本は美容クリニックの台頭などがあり、そのような価値観はあまり入ってきていません。本当に包茎は悪いものなのか、よく考える必要があるでしょう。